この記事の要点(先に結論)
- 「何センチから粗大ごみか」は全国共通ではなく、自治体ごとに基準が異なります。東京都世田谷区は一辺30センチ超、埼玉県坂戸市は原則一辺60センチ以上、さいたま市は一辺または直径90センチ以上2メートル未満と、同じ品物でも扱いが変わります。
- 収集を頼む場合は「申し込み→手数料の支払い→指定日に排出」が基本の流れです。処理券を先に買ってしまう失敗が多いため、必ず申し込みを先に行ってください。
- 自分で清掃センターへ運ぶ「自己搬入」は収集より安く済むことが多い一方、予約の要否や無料枠が自治体で大きく違います。坂戸市は2026年10月1日から手数料が変わります。
- エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の家電4品目やパソコン、消火器、バイクなどは粗大ごみとして出せません。「無料回収」をうたう無許可業者とのトラブルも増えており、確認すべきは市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可です。
家具や家電を買い替えたとき、実家を片付けたとき、必ずぶつかるのが「これは粗大ごみとして出せるのか」「いくらかかるのか」という疑問です。粗大ごみのルールは市区町村ごとに定められているため、引っ越し前と後で常識が通用しないことも珍しくありません。
この記事では、公的機関と自治体が公表している情報をもとに、粗大ごみの基本的な出し方と、つまずきやすいポイントを整理します。
粗大ごみとは?何センチから粗大ごみになるの?
粗大ごみとは、家庭から出るごみのうち、大きさや重さのために通常の収集では対応できないものを指します。家具や寝具、自転車などが代表例です。
注意したいのは、その基準が自治体ごとに違うという点です。「一辺30センチ以上が粗大ごみ」という説明を見かけますが、これは全国共通のルールではありません。実際に各自治体が公表している基準を比べると、次のように差があります。
自治体 | 粗大ごみになる大きさの基準 | 補足 |
|---|---|---|
東京都世田谷区 | 一辺の長さが30センチメートルを超えるもの | 耐久消費財を中心とする廃棄物 |
埼玉県坂戸市 | 原則として一辺が60センチメートル以上のもの | 60センチ未満でも電子レンジなど粗大ごみ扱いになるものがある |
さいたま市 | 一辺の長さまたは直径が90センチメートル以上2メートル未満のもの | 2メートル以上は市では処理できない |
出典:世田谷区「粗大ごみの出し方」、坂戸市「粗大ごみの処理」、さいたま市「粗大ごみ・特定適正処理困難物の出し方」
つまり、同じカラーボックスでも、ある市では粗大ごみ、隣の市では燃やせないごみ、ということが起こり得ます。まず確認すべきは、お住まいの市区町村の分別区分表です。
粗大ごみを収集に出すときの流れは?
自治体による戸別収集を利用する場合、おおむね次の順序で進みます。
1. 収集の申し込みをする
電話やインターネットで、品目・大きさ・個数・氏名・住所・連絡先を伝えて申し込みます。このとき収集日と手数料が案内されます。
自治体によっては受付に制限があります。坂戸市は希望する収集日の3日以上前までの予約が必要で、1回につき5個まで、1個あたり60キログラムまでとされています。さいたま市は1回につき4個までです。
2. 手数料を支払う
支払い方法は自治体で異なり、コンビニ等で処理券(シール)を購入する方式、収集時に現金で支払う方式、オンライン決済などがあります。
ここで多いのが処理券を先に買ってしまう失敗です。世田谷区は「処理手数料については申込時にご案内がありますので、有料粗大ごみ処理券を購入する前に、必ず粗大ごみの収集をお申込みください」と明記しています。品目によって金額が違うため、申し込み前には正しい券種が分かりません。
3. 指定された日時・場所に出す
収集日の朝、指定された時間までに、指定の場所へ出します。処理券方式の場合は氏名や受付番号を記入したシールを見やすい位置に貼ります。
なお、手数料は原則として解体前の大きさで決まります。世田谷区は「解体が可能なもの(スチール製の棚、ベッド、タンス、テーブル等)であっても、解体しても手数料は変わりません」としています。小さく壊せば安くなる、とは限らない点に注意してください。
清掃センターへの持ち込み(自己搬入)はどれくらい違う?
自分で車に積んで処理施設へ運ぶ方法もあります。収集を待たずに処分でき、費用も抑えられることが多い一方、料金体系と予約の要否は自治体で大きく異なります。
自治体 | 無料になる範囲 | 超過分の手数料 | 事前予約 |
|---|---|---|---|
埼玉県川越市 | なし | 10キログラムにつき50円 | 不要 |
埼玉県坂戸市(2026年9月30日まで) | 50キログラムまで無料 | 10キログラムにつき100円 | ― |
埼玉県坂戸市(2026年10月1日から) | 50キログラムまで200円 | 10キログラムにつき100円 | ― |
さいたま市(2026年中) | 10キログラム以下は無料 | 10キログラムにつき180円 | 必要(前日17時まで) |
出典:川越市「家庭ごみのごみ処理施設への持込み(自己搬入)」、坂戸市「ごみの自己搬入」「ごみ処理手数料を変更します(令和8年10月1日~)」、さいたま市「家庭ごみを施設に直接持込みする場合について」
坂戸市は施設の老朽化などを理由に、2026年10月1日からごみ処理手数料を変更します。自己搬入は50キログラムまでの無料枠がなくなって200円となり、粗大ごみについても手作業での解体を要するもの以外は1個につき200円が上乗せされます。さいたま市は2025年1月から直接持ち込みが完全事前予約制になっており、10キログラムを超えると最初の10キログラム分から手数料がかかります。
いずれも改定や運用変更が続いている分野です。運ぶ前に、必ず市区町村の最新ページで確認してください。
粗大ごみとして出せないものは?
大きくても、自治体では引き取れないものがあります。代表的なものは次のとおりです。
品目 | 根拠・区分 | 正しい処分先 |
|---|---|---|
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機(家電4品目) | 家電リサイクル法 | 小売業者に引き取りを依頼、または指定引取場所へ持ち込み |
パソコン | 資源有効利用促進法 | メーカーが回収。PCリサイクルマークのある製品は無料回収の対象 |
消火器 | 自治体では処理困難 | 消火器リサイクル推進センターの特定窓口・指定引取場所 |
バイク | 自治体では処理困難 | 二輪車リサイクルシステムの取扱店・指定引取場所 |
ピアノ、耐火金庫、浴槽、ドラム缶など | 破砕処理が困難 | 販売店・専門業者 |
タイヤ、鉛バッテリー、スプリング入りマットレスなど | 特定適正処理困難物(さいたま市の例) | 自治体が定める方法で有料収集・搬入 |
家電4品目は、家庭用のエアコン、テレビ(ブラウン管式、液晶・プラズマ式)、電気冷蔵庫・電気冷凍庫、電気洗濯機・衣類乾燥機が対象で、小売業者による引き取りとメーカーによる再商品化が義務づけられています。費用はリサイクル料金と収集運搬料金の合計で、リサイクル料金は品目・メーカー・大きさによって変わります。金額は家電リサイクル券センター(RKC)でメーカー名や型番から検索できますので、処分前に確認してください。
パソコンは資源有効利用促進法により、メーカーによる回収・再資源化が義務づけられています。2003年10月以降に販売された製品にはPCリサイクルマークが貼られており、家庭で使用したものは無料で回収してもらえます。
「無料回収」の業者に頼んでも大丈夫?
自宅前を巡回する回収業者や、ポストに入るチラシを利用する前に、知っておきたいことがあります。
環境省は「廃棄物として家電を捨てるときは、廃棄物処理法の許可を得ていない回収業者に絶対に渡さないでください」と注意を呼びかけています。家庭から出る一般廃棄物を業として収集運搬できるのは、原則として市町村長から一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた者に限られるためです。
紛らわしいのが、看板やホームページに書かれた「許可」の種類です。
許可の種類 | 許可を出す主体 | できること | 家庭の粗大ごみを回収できるか |
|---|---|---|---|
一般廃棄物収集運搬業許可 | 市町村長 | 家庭から出る廃棄物の収集運搬 | できる(市町村からの委託でも可) |
産業廃棄物収集運搬業許可 | 都道府県・政令市 | 工場や企業の廃棄物の処理 | できない |
古物商許可 | 公安委員会 | 中古品などの売買 | できない |
環境省は「産業廃棄物処理業許可は、工場や企業の廃棄物を処理するための許可です。古物商の許可は、中古品等の売買を行うための許可です」と説明しています。確認すべきは「お住まいの市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可があるか」の一点です。
実際にトラブルも増えています。国民生活センターに寄せられた不用品回収サービスに関する相談件数は、次のように推移しました。
年度 | 相談件数 |
|---|---|
2018年度 | 1,354件 |
2019年度 | 1,457件 |
2020年度 | 1,788件 |
2021年度 | 2,231件 |
出典:国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日公表)
「安価な定額パックを申し込んだはずが、作業終了後に高額な料金を請求された」「トラック詰め放題プランで依頼したが、当日、荷台の囲いの高さまでしか載せられないと言われた」といった事例が報告されています。困ったときは消費者ホットライン「188」に相談できます。
まだ使えるものは売る・譲るという選択肢も
粗大ごみに出す前に一度考えたいのが、まだ使えるものを手放す先です。状態のよい家具・家電、ブランド品、季節家電などは買い取りの対象になることがあります。捨てれば費用がかかるものが、売れば収入になることもあります。
中古品を買い取るには公安委員会の古物商許可が必要です。環境省も「中古品は、古物商の許可を持った正規のリサイクルショップ(中古品販売店)に売却してください」と案内しています。
私たち株式会社Next Earth(埼玉県坂戸市)は、「Re-Earth/地球と共に、未来をつくる」という理念のもと、不用品回収・買取・遺品整理/生前整理を行っています。まだ使えるものはリサイクル・輸出によって次の使い手へつなぎ、処分と買い取りをまとめてご相談いただけるのが特徴です。現地でのお見積もりは無料です。量が多い、大型家具が階段を通らない、日程が限られているなど、自治体の収集だけでは難しいときはお気軽にご相談ください。
なお、ご依頼先を選ぶ際は、当社を含めどの事業者であっても、許可の種類・見積書の内訳・追加料金の有無を書面で確認されることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. 粗大ごみは何センチから? A. 全国共通の基準はありません。世田谷区は一辺30センチメートル超、坂戸市は原則一辺60センチメートル以上、さいたま市は一辺または直径90センチメートル以上2メートル未満と、自治体ごとに定められています。お住まいの市区町村の分別区分表をご確認ください。
Q. 解体して小さくすれば安くなりますか? A. 安くならない場合があります。世田谷区は、解体できるものであっても解体しても手数料は変わらず、原則として解体前の大きさで手数料が決まると案内しています。自己判断で壊す前に、自治体に確認するのが確実です。
Q. 粗大ごみの処理券は、いつ買えばよいですか? A. 申し込みのあとです。品目によって手数料が違うため、申し込み時に案内された金額に合わせて購入します。世田谷区も、処理券を購入する前に必ず申し込むよう明記しています。
Q. 収集と持ち込み、どちらが安いですか? A. 一般に持ち込み(自己搬入)のほうが安く済む傾向がありますが、料金体系は自治体でまったく異なります。重量制の自治体もあれば無料枠がある自治体もあり、事前予約が必要な場合もあります。運搬手段と手間も含めて比較してください。
Q. エアコンやテレビは粗大ごみに出せますか? A. 出せません。エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象で、小売業者への引き取り依頼または指定引取場所への持ち込みが必要です。リサイクル料金は品目・メーカー・大きさで異なります。
Q. 亡くなった家族の家財を一度に片付けたいのですが、粗大ごみの申し込みだけで足りますか? A. 量によっては難しいことがあります。自治体の収集は1回あたりの個数に上限があるためです。遺品整理では、残すもの・売れるもの・処分するものの仕分けに時間がかかることも多く、ご家族の負担が大きくなりがちです。無理のない範囲で進め、必要に応じて許可を持つ事業者に相談することもご検討ください。
まとめ
粗大ごみは、「大きさの基準」「申し込みの順序」「手数料の決まり方」「出せないもの」の4点を押さえておけば、大きな失敗は避けられます。特にサイズ基準と自己搬入の料金は自治体差が大きく、坂戸市のように改定が予定されている例もあります。作業に取りかかる前に、必ずお住まいの市区町村の最新情報を確認してください。
そして、まだ使えるものは捨てる前にリユースを検討する。それが家計にとっても、地球にとっても無理のない選び方だと私たちは考えています。
出典・参考
- 環境省「家電リサイクル法の概要」
- 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」
- 経済産業省「パソコンのリサイクル(資源有効利用促進法)」
- 政府広報オンライン「家電4品目は正しい処分を!違法な『不要品回収業者』には要注意。」
- 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」
- 一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター(RKC)「再商品化等料金一覧」
- 坂戸市「粗大ごみの処理」
- 坂戸市「ごみ処理手数料を変更します(令和8年10月1日~)」
- 坂戸市「ごみの自己搬入」
- 川越市「家庭ごみのごみ処理施設への持込み(自己搬入)」
- さいたま市「粗大ごみ・特定適正処理困難物の出し方」
- さいたま市「家庭ごみを施設に直接持込みする場合について」
- 世田谷区「粗大ごみの出し方」
- 消火器リサイクル推進センター「回収窓口の種類」
- 公益財団法人自動車リサイクル促進センター「二輪車リサイクルの紹介」
- 株式会社Next Earth 公式サイト
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。手数料・分別区分・受付方法は自治体により異なり、改定される場合があります。実際の手続きにあたっては、お住まいの市区町村の公式情報をご確認いただき、個別の事情については各窓口や専門家にご相談ください。
